公開日: |更新日:
解体作業の現場で働く上で必ず取得しなければならない資格はありませんが、解体作業員として取得しておくことで有利な資格はいくつかあります。このページでは、ガテン系の中でも解体作業に有利な資格について紹介します。
解体作業員として働きたいと考えた時に、あらかじめ必ず取得しておかなければならない資格はありません。そのため、無資格者でも解体作業の現場で働いて経験を積むことは可能です。
ただし、解体作業の現場では様々な作業があり、例えばアスファルトやコンクリート片といった廃材を搬出する「ガラ出し」など、有資格者でしか作業できないものがある点も事実です。
そのため、資格がなくても解体作業の現場で働けるものの、資格を取得することで仕事の幅を広げ、収入アップやキャリアアップにつながるため、余裕があれば資格取得を目指すと良いでしょう。
建設現場や解体現場では足場を組んで高所の作業を行うことも少なくありません。事業主は張り出し足場や吊り足場などにおいて、高さ5m以上の構造の足場を組み立てたり解体したりする際に、「足場の組立て等作業主任者」を選任して配置しなければならないといったルールがあります。
言い換えれば、足場の組立て等作業主任者が解体現場に一人もいない場合、その現場では十分な足場を確保して作業することができません。
足場の組立て等作業主任者は「足場の組立て等作業主任者技能講習」を修了することで担当できるため、キャリアアップにおすすめです。
労働安全衛生法において、可燃性ガスや酸素を使って金属溶接や溶断などを行う場合、その作業従事者には「ガス溶接作業主任者」を選任しなければなりません。
ガス溶接作業主任者の資格は「ガス溶接技能講習」を修了することで取得できるため、解体作業の現場で仕事の幅を広げようと考えた際にはおすすめの資格の1つとなります。
そもそもガス溶接は単純に高温の炎を扱うだけでなく、周辺の可燃物や可燃ガスへの影響や作業員の安全確保も考えながら作業を進めなければならず、有資格者による作業を徹底しなければなりません。
「石綿作業主任者(アスベスト作業主任者)」は、石綿(アスベスト)を取り扱う際に必要となる資格です。
石綿は明確に健康被害のリスクとして認められており、古い建物などを取り壊す場合、そこに石綿が含まれている時はあらかじめ石綿が飛散しないよう十分な配慮や対策を講じなければなりません。
石綿作業主任者はアスベスト関連作業において、作業の監督や指導を行うための資格であり、必要な研修を受けて試験に合格すれば取得できます。石綿作業主任者を取得しておくことで石綿の存在する現場で責任者や監督者として活躍できるようになります。
「クレーン運転士」は文字通りクレーンを操作して運転するために必要な資格です。
建築現場や解体現場で活用される建設機械の中でもクレーンは一般的であり、様々なシーンで活躍していますが、一方でクレーンは重量物を上げ下げして移動させる建設機械のため、作業時には正確かつ安全にクレーンを操作できる技量が不可欠です。
クレーン運転士は国家資格であり、クレーン運転士の資格を取得していることで、クレーン操作やその管理について専門スキルを有していると客観的に証明することができます。
「玉掛け技能講習」とは、吊り上げ荷重1t以上の玉掛け作業をするために修了しておかなければならない講習であり、玉掛け作業に必要な資格です。
「玉掛け」とは、クレーンのフックへ重量物をかけたり外したりする作業を指します。上述したクレーン運転士がクレーンの操作に必要な資格であるのに対して、玉掛け技能講習はそのクレーンに重量物を吊り下げるために必要な資格です。
玉掛け技能講習を修了した資格者がいなければクレーンを利用できないため、解体作業員として積極的に取得したい資格の1つです。
解体工事施工技士は国土交通省所管の国家資格です。一般的な建設工事の場合、500万円未満の範囲において施工に特別な許可を必要としませんが、解体工事の場合は500万円未満の規模でも必ず解体工事業者の登録を行った上で、解体工事施工技士を配置して実施しなければなりません。
そのため、比較的小規模の解体工事の現場では必ず解体工事施工技士が管理者として存在します。
また、解体工事業者の登録には解体工事施工技士の存在が不可欠であり、解体作業員としてキャリアアップやスキルアップを目指すなら解体工事施工技士の資格取得を目指すことも1つの選択肢です。