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「警備員の仕事にはクズが多い」とか「警備員の仕事は底辺」といったイメージを持っている人が多いようです。なぜそのようなイメージが付いてしまうのか、その理由を探ってみましょう。
警備員の募集では、資格や知識、経験を問わないものが多いです。
そのため、職務経験のないニートだった人や、一般企業では採用されなかった・クビになった人、人とのコミュニケーションが苦手な人、仕事への意識が薄い人なども多く働いています。
また、一般的に警備員=おじいちゃんというイメージがあるように、定年退職した高齢者や、体の調子が悪い高齢者の再就職先として選ばれることも多いです。
施設警備や交通警備でしたら、基本的に腕力も専門知識も、高度なスキルや迅速なスピードも必要としないため、「誰にでもできる楽な仕事」と思われているのです。
例えば、勤務中に不審者に出くわしたり、施設に異変を感じたら、警備員ならすぐに現場に駆けつけて状況を確認するのが当然です。緊急性の高いトラブルなのですから、とにかくスピードが命です。
しかし、そうした場合でも、残念ながら全く動かない人もいます。あまり仕事をしたくない人たちからすれば、問題に対応することは「面倒」「厄介」であり、「余計なことをしたくない」というのが本音なのでしょう。
その上、一歩対応を間違えるとクレームにつながったり、身を危険に晒す恐れがあります。
「気づかなかった」「見なかった」ことにした方が無難、と考える人も多いのです。また、警備会社によっては、こうした場合の対応マニュアルが徹底されておらず、下手な対応でクレームを付けられるより、日々無難に業務をこなすことを評価する会社もあるようです。
仕事中に携帯をいじって遊んでいても、勤務時間にその場にいれば給料が発生する警備員の仕事。だからこそ、「仕事をするだけ損をする」と考える人も多いのは事実です。
警備員は階級制ですので、会社に評価されると階級が上がるのですが、出世して管理職になると、現場のトラブル収束に向けた指揮を取ったり、契約先とのやりとりなどをしなくてはならなくなります。
精神的な負担が非常に大きくなる一方、給料がさほど上がらないため、「出世せず適度に仕事をする」のがベスト、と考える人が多いのかもしれません。
皮肉なことに、真面目に働く人ほど肉体的・精神的に疲れ、うまくサボる人ほど長続きするのが警備員の仕事だと言えるところもあるのです。
このように、「誰でもできる楽な仕事」であり、「なるべく仕事をしない方が長続きする」という警備員の仕事の状況が、「クズが多い」と見られる原因となっています。
時間をこなせば給料がもらえるため、残念ながら、中にはできるだけサボろうとする人、見て見ぬふりをする人もいるのが現実です。
ですが、業界全体としては「クズ」と言われる人は減ってきています。会社としても、きちんと仕事をする人を評価し、働きやすい環境を整えたり、昇給・ボーナスなど、金銭面での待遇を良くしている会社がありますので、こうした会社を慎重に見極めて、「やりがい」を感じられる環境を手に入れましょう。