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土木作業員が行うKY活動とは?

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KY活動(危険予知活動)とは

そもそも「KY」とは「危険(KIKEN)」と「予知(YOCHI)」の頭文字から生まれた言葉です。危険を予知する、つまり建設現場における事故を防ぐために、どのような危険があるかを考え、対策を実行することを意味しています。労働災害やトラブルを防ぐためには、作業者自身だけではなく事業者と従業員が協力してKY活動を行うことが大切です。

なお、KY活動は大きく分けると「KYK(危険予知活動)」「KYT(危険予知訓練)」の2つです。

KYT(危険予知訓練)

「KYT」とは、危険予知(KT)に訓練(トレーニング)を合わせた言葉です。日頃から危険への感受性を鋭くして集中力を高めておくことで、問題解決能力の向上を目指します。

たとえば、チームミーティングを行って職場や作業に隠れている危険要因を話し合い、危険要因がどんな現象を引き起こすのかを把握。訓練ではイラストシートを使ったり、実際に現場で作業したりしながら危険要因を確認します。

KYサイクル

KYサイクルとは、安全活動を業務に組み込んで実践することです。1日のサイクルを業務前・業務中・業務後に分け、点検や報告といった安全活動を行うことでサイクルを成立させます。

例えば、朝礼時にその日の作業における危険事項について話し合います。業務中には指差し呼称を実施。業務終了後にはその日の危険に関する報告を行います。

リスクアセスメントとの比較

KY活動が「作業に潜む危険を予知し、迅速に対応する」という目的をもっているのに対し、リスクアセスメントでは「職場や作業に潜むリスクを根本的に減らすこと」を目的としています。

リスクアセスメントは設備や作業方法などを変更する際に行われ、危険の程度を明確にしながら対策を講じます。KY活動は日常的に実施するものです。作業に潜む危険を把握し、即決・即断で危険を回避します。

KY活動とリスクアセスメントは似ていますが、実施のタイミングや方法などに違いがあります。それぞれ単独で考えるのではなく、2つを組み合わせることでより効果を発揮します。

KY活動(危険予知活動)の手法

KY活動は、基礎4R法を用いて行うことが一般的です。日々繰り返して行うことで、従業員の危険への意識を高められます。また、集中力や問題解決能力の向上も期待できるでしょう。

なお、チームではなく、1人でKY活動を行うことも可能です。

基礎4R(ラウンド)法

基礎4R(ラウンド)法は、KY活動における基本的な手法として知られています。作業における危険を把握し対策を講じるといっても、ただ漠然と考えるだけでは効果を期待できません。

そこで「現状把握」「本質追及」「対策樹立」「目標設定」といった4段階に分け、危険に対する解決方法や目標を決定します。

1R:現状の把握

まずは現場や作業にどんな危険があるのかを洗い出します。大きな危険だけではなく、小さな危険も洗い出すことが大切です。また、話し合いに適切な従業員を集め、できるだけ多くの従業員が現状把握のラウンドに関わることが望ましいでしょう。

2R:本質を追及する

現場や作業における危険を洗い出したら「なぜ危険なのか?」という理由を追求していきます。現状把握で洗い出した多数の危険の中から、特に重要であると考えられるものをピックアップしましょう。ピックアップしたものからさらに絞り込み、危険なポイントを定めます。

次に、危険なポイントと定めたものがどのように危険であるのか、従業員同士で意見を出し合います。話し合いによって危険への理解を深めましょう。

3R:対策を樹立する

危険への理解を深めたら、その対策について話し合います。対策方法は危険なポイントによってさまざまです。「具体的な解決策であるか」「職場や現場で実現できるか」が重要。また、対策案は1つでなければならないというわけではありません。複数の対策案があっても次のステップで優先順位を検討できるため、従業員同士で積極的に意見を出し合いましょう。

4R:目標を設定する

危険ポイントへの対策案を考えたら、最後に具体的な行動目標を決定します。複数の対策案がある場合は優先順位等を踏まえて検討し、すぐに実施すべきものや必ず実施しなければならないものを優先します。また、決定した対策案に対し、従業員がどのような行動を取るべきかを表す行動目標も定めましょう。

たとえば、「作業前には必ず○○の安全装置を確認する」といった行動目標を決定します。

1人KY

KY活動は組織全体やチームで行うものというイメージが強いものの、1人で実践することもできます。ただし、KY活動についての理解や知識が必要です。

まず、単独で作業を開始する前に、この作業における危険や注意点について考えます。たとえば作業内容や場所が変わるときなどに1人KYを行うと良いでしょう。なお、危険や注意点について考える時間は短時間でOK。1分以内程度に留めましょう。

また、1人KYは単独で行うことから、慣れてしまうと行動を省略しがちです。「いつもやっていることだし、問題ないだろう」「このくらいなら大丈夫だろう」と考えてしまうと事故の原因となるため、注意しましょう。